甘いkissを君にあげる





私に海の知識があれば、聞かれずに済んだのかも。



本当に馬鹿じゃん。





「あのさ」




気まずい沈黙を破ったのは琉風だった。




「俺、んな人のコトどー思ったりしねぇから」




「ぇ‥‥?」




「隠すなっつってんの」




「隠して、なぃ、ょ?」




駄目。

絶対に言っちゃ駄目。




「嘘つき」




心臓に言葉が痛感した。



琉風に嘘つきって思われたくない。


琉風に惨めな奴とか思われたくない。



琉風の前では明るく居たい。




親に捨てられたなんて言えない。



帰る場所が無いなんて言えない。



施設で育ったなんて言えない。


虐められてたなんて‥‥‥‥絶対に言えない。




















< 163 / 360 >

この作品をシェア

pagetop