甘いkissを君にあげる






時間は経つばかりなのにボーっとしてしまってなにも分からない。




ギラギラしてた太陽はいつの間にか雲で隠れてしまい、今にも雨が降りそうだった。




空って気まぐれだなぁ。



身体がズキズキと痛んだ。


過去を思い出す度に。





「ッッ‥‥ヒック‥」




つい涙が零れる。


やだな。私



好きで話したくないんじゃないよ。


怖いんだよ。


なのに‥‥。




空の色は薄暗く染まり、雨が降り出した。



どれくらい時間が経ったのかな?



私、このままどうすればいいの?




琉風が居るのに、帰れないよ。





夏に降る雨はジメジメしてて嫌い。


何よりこんな自分が大嫌い。



不意に立ち上がると、誰も居なくなった海岸沿いを歩いた。




雨に打たれる度に心臓が『助けて』と叫んだ。















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