甘いkissを君にあげる
この瞳を見ると、頭がクラクラする。
怖い。
怖い。
怖い‥‥。
「あら、夏月じゃなぁい」
今すぐ走って逃げたい。
けど縛り付けるような彼女の視線からは逃れられない。
「有華‥ちゃん‥‥」
もう忘れてたのに
思い出したくなかったのに
「あんた、その制服‥」
背の高さは同じくらいのはずなのにその目は上から私を見下ろすようで
「ふっ、随分と幸せそうね。だけど‥時期に終わるわよ」
鼻高く笑うと、そう言い放った。
「どういう、こと?」
「さぁね〜」
有華は優雅に笑いながら私の前から消えた。
やだ、やだ‥‥。
「ハァッ‥‥っっ‥」
頭が痛い。
周りにいる人たちの笑い声が怖くなった。
震える足でやっと店を出るとそのまま走って逃げた。