甘いkissを君にあげる







次の日の朝、駅に向かうと琉風が壁に持たれながら待っていた。



1日ぶりに見る顔が今は少し遠くに感じた。





「はよ」




「琉風‥おはよ」




「元気ないね」




「げ、元気だもん!」




ダメダメ



琉風の前では明るく振る舞うんだもん!絶対。





「‥あっそ。行こーぜ」



歩き出すと琉風はさり気なく指を絡めて手を繋いでくれた。




手、繋いでる‥‥。





指の1本1本が暖かい。


手を繋げるのも、あと数回なのかな‥?




「つか、目腫れてる」




「うそ!?」




「髪もボサボサ」




「やっ、うそでしょ!?」




朝なにしてたの私!




「見ないで‥‥」




「あのさー‥自分のこと隠しすぎ」




「か、隠してないよ?」




琉風はため息をついて私の髪を整えながら喋った。





「夏月のコト知りたいの。俺わ」




「なん、で?」




髪を触る手が優しすぎていまでは怖い。





「好きだから‥知ってたい。まぁ別に無理して言わなくていいけどさぁ‥‥」




髪を触るのを止めるてほっぺをつねって目線を合わせた。




「俺の前でワザと明るくしなくていい。見てる方が辛い」




「っっ‥‥」




知ってたんだ。


わかってたんだ。





「あ、電車きた。」




明るく振る舞ってるの‥気づかれてたんだ。















< 213 / 360 >

この作品をシェア

pagetop