甘いkissを君にあげる
こんな紗南
初めて見た。
「あのさぁ‥」
「脅し?」
琉風が口を開いた。
「誰が誰を?」
「あ、琉風くん!!ちがうの!!」
「‥なにが?」
琉風はなにも知らない。
みんななにも知らない。
私と有華の関係。
「な、なんでもない!」
「有華、答えてよ!!!!」
紗南が叫んだ。
あの紗南が
あんなに優しい声をした紗南が。
「うっさい!」
教室は瞬く間に嫌な空気を漂わせ、事態をわかっていない琉風の顔は機嫌が悪そうだった。