甘いkissを君にあげる
「紗南、今日はありがとね!」
「ぜんぜん♪あたしも楽しかった」
こんな風に歩いてると、いままで喧嘩してたとは思えないね。
まぁ、喧嘩してたってワケでも無いんだけど。
「あとは琉風クンとデートできたらいいんだけどね」
「明日聞いてみる!」
「だね♪あ、じゃああたしここだから!」
「そーなの!?また明日ねー!」
また明日、か。
明日がある。
私にはちゃんと‥‥。
電車に揺られながら窓の外をボーっと眺める。
琉風いまなにしてるかな。
琉風に会いたい。
電話でもする?
メールでもすれば?
頭の中で囁かれる。
ちがう。
会いたいの。
琉風の顔を
ちゃんと見たい。
「お腹好いたな‥」
夕暮れの西日が車内を照らしてた。