甘いkissを君にあげる
「で、夏月の誕生日はいつなの?」
「‥わっかんない!」
「は?」
「あは、知らないんだよねぇ‥‥」
本当に知らない。
自分の誕生日なんてわからない。
拾ってくれたおばあちゃんは4月1日が覚えやすいからって、毎年その日にバースデープレゼントをくれてた。
だからってその日が誕生日かわからない。
「そう、なんだ」
「けど!平気だから!」
もう何年も自分の生まれた日がわからないんだもん。
それが当たり前。
「もー!お腹空いちゃったじゃん!なんか食べよ??」
「いいけど‥‥」
「どっか行こっか!」
「だな」
「確か来る途中にファミレスあったよね?」
「よく見てんな」
「そりゃあ!琉風の家の行き方覚えたいし!」
いつでも来れるように‥なんて。
「遅いー」
「考え事してたの!!行こ♪」
そうして
なんやかんやで家を出た。