甘いkissを君にあげる
琉風には美人で優しいお母さんと、かっこいいお父さんがいると思ってた。
なのに、帰ってこない‥?
お仕事ってコト‥?
独りぼっちの寂しさなら分かる。
けど親が帰ってこないトキの気持ちが
親がいない私にはわからない。
わかってあげられない。
「琉風、ゴメンね」
「変なの。なに謝ってんだか」
日が沈んでいくと、部屋の中も段々暗くなりだした。
静かで‥寂しい。
琉風はここで‥眠ってるのか‥‥。
もし
もし‥私が居なかったり
琉風は誰に誕生日を祝ってもらってた??
友達?
そんなキャラじゃないよね。
じゃあ‥1人なの?
「外、くらいね」
「電気つけよっか?」
「あ、私がつけるよ!」
「いいから。寝てな」
琉風が電気をつけてくれると眩しいくらい明るくなった。
「目さめたー!」
「俺も」
「そろそろ帰らなきゃ、だね」
携帯の時計はもうすぐ7時になろうとしていた。
はだけた制服を整えて鞄に手をかけたトキ‥‥
琉風の手が上から重なる。