甘いkissを君にあげる







「なんで逃げんの?」





「そ、れは‥」





「それは?」




気づけばお風呂場まで逃げてて、もう壁だった。




私、どうして逃げてるの?





「なんでわざわざ来たの?」




「だっ、て‥‥」





スッと顔の横に腕が伸びる。





「ん?」





もう、逃げられない。






「あの‥‥えと‥」




「なに?」




壁まで来たのにそれでも後ずさりする私。



自分でもどうして逃げてるのか不思議。




なんか‥


なんとなく、部屋を出る前の琉風とは違うような‥‥。



ちょっと‥怖い。





「俺のコト怖いって思った」




「お、思ってない!」




その瞬間



手がなにかに当たり、シャワーの水が私たちを濡らす。





「きゃ‥ッッ」




これ、水だ。

冷たい‥‥。














< 328 / 360 >

この作品をシェア

pagetop