甘いkissを君にあげる
最後の力を振り絞って曲がり角を曲がったトキ‥
「あそこだぁ!」
大きな白い家が見えた。
ドキドキしながらチャイムを押して、琉風は少ししてから驚いた顔で家を出てきた。
「な‥どうしたの?」
「き、ちゃった!」
「走って?」
「電車でッッ!」
「あー‥おつかれ」
ちょっと顔色は悪いけど、普通の琉風だ。
「とりあえず‥入る?」
「うん!」
相変わらず家の中は綺麗だけれど生活感は無く、琉風の部屋にはミネラルウォーター1本だけが唯一の生活感。
なんか買ってこればよかった‥‥。
「ケホッケホッ‥大丈夫?」
「琉風こそ大丈夫なの!?」
「俺はッッ‥平気」
全然平気じゃないじゃん‥‥。
咳ばっかりしてるし、声も枯れてる。
弱ってる琉風かぁ‥‥
すっごいレアじゃない!?
とか思う私は
本当に呑気なのかも。