甘いkissを君にあげる
私の知らない物語
深い緑色のドアが閉まるのを見届けるとそのままボーっとドアを見つめていた。
後ろにいる琉風には気付いてた。
でも‥いまは琉風の顔を見たくない。
「夏‥‥ッッ」
「気にしてないよ」
また嘘ついた。
ほんとはずっと頭の中でさっきの言葉がリピートされてる。
「‥‥‥」
「‥‥ほんとに!気にしてないよッッ」
琉風はいま
寝ていればいい。
風邪引いてるんだから。
昔のコトを攻めたり
聞いたりしないよ。
私もずっと黙ってたんだ。
「引いたろ?」
「引いたってより‥ビックリしただけだよ」
「泣けよ」
「‥‥え?」
「お前も‥‥」
「私は!泣かないよ‥出て行かないよ」
琉風のそばに居るって
決めたんだもん。