甘いkissを君にあげる
目と目がぶつかる。
でも綾音の瞳は
いつもみたいな意地悪な瞳じゃなかった。
優しくて温かくて安心するような瞳
吸い込まれそう――‥‥
いや、この人になら‥吸い込まれてもいいかも‥
「あのさ、見すぎ」
「えっ!?」
さ、さっきの優しい綾音が居なくなった!
「ま、そんなに俺が好きなんだ?」
「えぇえ」
ちょ、この人
二重人格!!???
「いや?違う。イジメたくなっただけ」
やっぱり読まれちゃう。
「夏月が単純スギなだけだけど?」
「わ、わかったよ!」
ぽんっと抱き締められていた身体を押し返す。
すぐに離れてしまうと、体温も無くなる。
人間の体温って不思議。
7月の暑い日でも
温かいって思うんだもん
「私、行くね」
「待って、アド」
渡された紙切れ
あぁ‥携帯のアドレスかぁ
「待ってる」
「‥‥うん!」
私らしくないけど、素直に返事した。