高校生社長
あたしはちがう?
朝。なんとも清々しい。
鳥の囀りが心地よい。
ごきげんよう、小鳥さん。
ぴっかぴかの新しい制服を身につけ、
ドレッサーに腰をかけて、
いざ、メイク!というところに……
「…ぉはよ」
だらしなーく制服を着た翔太が
洗面所から出てきた。
おお、そのタイピンは私が誕生日にあげた
オーダーメイド物じゃないですか。
いちご牛乳を飲みながら、翔太が
少し顔を顰めた。
「……つーか、営業用の大人びた化粧やめろよな?昨日みたいな化粧してたらまじで高2に見えねーぞ?」
「わかってるっつの。ナチュラルで、ちょっと下手くそにやればいーんでしょ?」
「そーそー。つか化粧でそんなに顔変わるとかまじ女こえー…」
「っるっさい。早く学校行ってきなよ」
「おー。じゃ、また後で」
手を振って、リビングから弟を見送る。
よーし気を取り直して…。