高校生社長
リーマンの手から逃れようと体を捩る。
が、満員電車の為かうまくいかない。
そんなあたしの抵抗を嘲笑うかのように、
男の手は変わらずあたしの尻を触っている。
くっそー、早く手どけろ。早くどけろ。
早く早く……………と、
心の中で念じていると…
「おい。痴漢なんかしてんじゃねえよ」
へ?
あ…手離れてる。
「なあにー痴漢?」
「痴漢って…」
「最低…」
周りがざわつく。
電車が止まった。
駅に着いたみたい。
「駅員さん、すいません、この人痴漢してました。」
男の人の声がして駅員さんが
痴漢野郎を連れていった。
それを、あたしは
ポカーンと見つめていた。