高校生社長




リーマンの手から逃れようと体を捩る。

が、満員電車の為かうまくいかない。



そんなあたしの抵抗を嘲笑うかのように、

男の手は変わらずあたしの尻を触っている。




くっそー、早く手どけろ。早くどけろ。

早く早く……………と、

心の中で念じていると…




「おい。痴漢なんかしてんじゃねえよ」



へ? 

あ…手離れてる。



「なあにー痴漢?」

「痴漢って…」

「最低…」



周りがざわつく。



電車が止まった。

駅に着いたみたい。




「駅員さん、すいません、この人痴漢してました。」




男の人の声がして駅員さんが

痴漢野郎を連れていった。



それを、あたしは

ポカーンと見つめていた。



< 21 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop