高校生社長
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「ただいまーっ」
「あ、おかえり。ひなた」
大袈裟にグデーン…と脱力しながら帰ると、
翔太がにこりと笑った。
甘さが溢れ出ている笑顔だ。
鞄と上着をポーンとソファーに放る。
ストッキングとスカートを脱いで、
ジャージに履き替えた。
ふう、落ち着いた。
「翔太、なんかもう食べた?」
「うん、食べた。ひなたは?」
「会社で食べてきたー」
この愛くるしい、
小動物のような笑顔のこいつ…
名前は木野原翔太(このはらしょうた)
あたしの実の弟である。
といっても双子だから
年は同じで、学校は違う。
それに、双子でも顔は
全くと言っていい程似ていない。