わかれあげまん
「ルゥのことだろ?」
「!!」
怯えるように肩を竦めた柚を、哉汰はじっと横から見つめ言った。
「…彼女とは終わった。…少なくとも俺の中では。」
「えっ!?」
頬から滑り降りた指が、柚の髪を一束掬い優しく撫でた。
「っていうか、…最初から始まってもいなかったのかもな。」
髪に触れる繊細な彼の指先は、微かな煙草の匂いを含んでいた。
こっちを見て眉を寄せ寂しげに笑う哉汰に、柚のドキドキは一層加速する。
「聞きたい?へヴィーな話だけど。」
柚はゆっくりと頷いた。
「うん。…聞きたい。」