海の記憶に残る恋
「いや、そうじゃなくて。帰らないの?」




シンジもあやの目を見返した。




「今日は大サービス。このあや様が君を看病してあげよう。眠ってていいよ」




あやは視線を再び本に落とした。




「ありがとう」




シンジはもう一度寝返りをうって、顔をあやと反対に向けた。




人がいると休めないかな、という不安があったが杞憂だった。





二日酔いの苦しみから逃れるため、脳が睡眠を選択したようだ。
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