海の記憶に残る恋
「そうしたら途中に大きな岩があって、近づいてみたんだよね」




「うん」




あやもシンジの目をじっと見ている。




「そうしたら、岩の隙間から蛇が出てきたんだ」




「ええ、見間違いじゃなくて?」




「うん、暗かったから見間違いかもしれないんだけど」




あやはまだシンジの目を見ている。




「浜辺に蛇がいるなんて聞いたことないよ」




「いや、僕もそうなんだ、それで誰かに聞いてもらいたくて」
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