海の記憶に残る恋
「なんでも底なし沼でね、地元では結構有名なところなんだよ。




たとえばね、何かその沼に放り込むとするでしょ。




すると、水底に沈んじゃうらしい。




人の死体を処理したとかって噂も聞いたことある」




本当にこの間の話の続きなんだろうか、とシンジは思った。




「なんか怖そうなところだね」




あやは話を続けた。




「でさ、この間、思い出を作ろうって話してくれたじゃない?今度、そこに行かない?」




まさか俺を殺してその沼に沈める気じゃないだろうな、とシンジは思った。




まゆとのことがあやにバレていたりして。

< 169 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop