海の記憶に残る恋
「あれ?また声が聞こえた」




まゆがじっとシンジの顔を見た。




「ええ、本当?今度は何て言ってたの?」




シンジは少し間をおいてから言った。




「ちょっと待って。うーんとね、苦しいよ、苦しいよ、って言っている」




まゆは何も言わなかった。




シンジもそれ以上からかうのはやめよう、と思った。
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