風 猫 夜
奴の洗い息遣いが聞こえる。


臭い息。


巨大な影。



祠にある結界を
興味本位で引きちぎった僕に


ふさわしい最期が
もうすぐそこまで迫ってきているようだ。


奴の黄色く光る目。



縦に割れた瞳孔と
口から長くのびた牙。


せめて苦しまないよう
一息にやってくれ…
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