風 猫 夜
その時


怪物が大きな泣き声を上げた。



「みゃー」



ん?


巨大な怪物にしては
かわいい鳴き声。


「ごろごろ」



怪物は喉を鳴らした。



なんだ。


よく見たら猫だったよ。


祠から飛び出してきた
黒い猫は


僕を不思議そうな眼で見つめた後
ゆっくりと去って行った。

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