キケンな嘘つき猫。

しゃべるな、とあいつは返した。


私はすぐに声が出なくなった。意識が遠い。


ただ、唇だけ。

唇だけで「好き」と言った。


あいつも、笑って何かを呟いた。


案の定、私は意識が飛んで、声は届かなかった。

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