キケンな嘘つき猫。

次に目が醒めた時には、ぽっかりと穴が空いていた。


「…あなたの名前は、椎です。事故であなたは記憶を無くしたのです」


空いた穴は、記憶だった。


記憶がないと、感情も生まれなかった。


ただ、思い出す。


「…三毛猫」

< 12 / 29 >

この作品をシェア

pagetop