キケンな嘘つき猫。

私は思い出せないのに、ひたすら安心した。


誰だか、分からない。

けれど、大切な人。


「…三毛猫?」


私は「三毛猫」と問う。

彼は少し驚きながら、「覚えていたんだ」と言った。


「椎と事故に遭った、猫のことだね」

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