心と、音で。─1年生編─
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由希はポッキーの袋を私に差し出した。私はその中から1本取り出して、自分の口に運んだ。
「…由希は、吹部入るよね?」
私が訊ねると、由希はニカッと笑った。
「当たり前!あたしが入らないとか、マジ有り得ないし」
そして、由希は最後の1本を食べながら、こんなことを言った。
「広君は入るだろうけどさ、いや、入んなかったら無理矢理入れるけど。…でも、力君と陽向君が入るとは限らないよね」
「えっ、それ、どういうこと?」
「あの2人、多分高校で吹奏楽続ける気ないんだよ。だから東海選んだんじゃない?」
「そ、そうかな…」
「ま、わかんないけど」
由希はあまり気にしてない様子。
まぁ、そうだよね。確かじゃないことを気にしても。
それから電車は福間駅に着き、改札口を抜けると、私たちは「また明日」と言ってそれぞれの家へと帰っていった。
私は帰宅後、自分の部屋でフルートの練習をしていた。
こんなにじっくり練習したのは久々かもしれない。
私は自分のフルートを持っている。中学2年生の頃に買ってもらった。
私は中学生の頃、楽器が決まると同時にフルートを習い始めた。その頃はまだ学校の楽器を使っていたけど、フルートの練習に熱中していくうちに、『自分の楽器が欲しい』と思うようになってきた。
もちろん、両親は簡単には許してくれなくて。
フルートを買う・買わない、という内容で何度も大喧嘩をした。しばらく両親と口をきかない時もあった。
半年以上の説得の結果、ようやく買ってもらえたのが、今私が吹いているフルート。
大切な相棒だし、宝物だ。
私は相棒に“リール”と名付けた。ずっと、吹けなくなるまで大切にしていきたい。
その時、私の机の上に置いてあったスマートフォンから、私の好きな吹奏楽曲の一つである《オーメンズ・オブ・ラブ》が流れた。
私は家に帰ってすぐ、広と力と陽向に、吹奏楽部が発足することと明日の放課後のことをメールで伝えた。
メールは、広からの返信だった。
―――――――
Re:
ありがと
明日放課後行くね(((o(^▽^)o)))
―――――――
可愛い顔文字付きだった。
良かった。広も入部するつもりなんだ。
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由希はポッキーの袋を私に差し出した。私はその中から1本取り出して、自分の口に運んだ。
「…由希は、吹部入るよね?」
私が訊ねると、由希はニカッと笑った。
「当たり前!あたしが入らないとか、マジ有り得ないし」
そして、由希は最後の1本を食べながら、こんなことを言った。
「広君は入るだろうけどさ、いや、入んなかったら無理矢理入れるけど。…でも、力君と陽向君が入るとは限らないよね」
「えっ、それ、どういうこと?」
「あの2人、多分高校で吹奏楽続ける気ないんだよ。だから東海選んだんじゃない?」
「そ、そうかな…」
「ま、わかんないけど」
由希はあまり気にしてない様子。
まぁ、そうだよね。確かじゃないことを気にしても。
それから電車は福間駅に着き、改札口を抜けると、私たちは「また明日」と言ってそれぞれの家へと帰っていった。
私は帰宅後、自分の部屋でフルートの練習をしていた。
こんなにじっくり練習したのは久々かもしれない。
私は自分のフルートを持っている。中学2年生の頃に買ってもらった。
私は中学生の頃、楽器が決まると同時にフルートを習い始めた。その頃はまだ学校の楽器を使っていたけど、フルートの練習に熱中していくうちに、『自分の楽器が欲しい』と思うようになってきた。
もちろん、両親は簡単には許してくれなくて。
フルートを買う・買わない、という内容で何度も大喧嘩をした。しばらく両親と口をきかない時もあった。
半年以上の説得の結果、ようやく買ってもらえたのが、今私が吹いているフルート。
大切な相棒だし、宝物だ。
私は相棒に“リール”と名付けた。ずっと、吹けなくなるまで大切にしていきたい。
その時、私の机の上に置いてあったスマートフォンから、私の好きな吹奏楽曲の一つである《オーメンズ・オブ・ラブ》が流れた。
私は家に帰ってすぐ、広と力と陽向に、吹奏楽部が発足することと明日の放課後のことをメールで伝えた。
メールは、広からの返信だった。
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Re:
ありがと
明日放課後行くね(((o(^▽^)o)))
―――――――
可愛い顔文字付きだった。
良かった。広も入部するつもりなんだ。
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