心と、音で。─1年生編─
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力と広は二卵性の双子。だから、顔がとても似てるけど、何故か性格はほとんど似ていない。
どちらかというと、弟の広の方がしっかりしている気が…。…やっぱりそれは黙っておこう。
「…そうだ」
私は、ふとあることを思いついた。私はニヤリと笑うと、鞄の中からゴソゴソと“ある物”を探し始めた。
「…ああ、そういうことか」
広たちも私が何をしようとしているのか察したらしく、それぞれの顔を見合ってニヤリと笑うと、それぞれの鞄の中から“ある物”を取り出した。
それから力が目を覚ますのに、そんなに時間はかからなかった。
「おはよう、力。よく眠れた?」
「…ん、杏里?おはよう」
私の言葉を聞いた力は数回まばたきをして背伸びをした。
「そっか。俺、寝てたんだ」
「夜中まで勉強してたからだろ?ちゃんと寝ないと体壊すぞ?」
陽向は力の肩をポンポンと軽く叩くと、さっき鞄から取り出した“ある物”を力に見せた。
「…………これって……」
「力の寝顔、撮っちゃいました☆」
「はい、消そうか。さぁ貸せ」
力は陽向から“ある物”を奪おうとした。でも、そこを広に止められてしまった。
「実は僕も撮っちゃったんだよね。ほら、綺麗に撮れてるでしょ?」
「……広、お前もか。ていうか、それは引く」
そう、さっき私たちが探していた“ある物”とは、スマートフォンのことだった。私たちは力が寝ている間に、スマートフォンで力の寝顔を撮影していた。
「とりあえず消しといて」
「はいはい。同中のダチに一斉送信してからなー」
「しなくていい!」
陽向は力をからかうのを楽しんでいた。
私は話題を変えようと、力に話し掛けた。
「…何か夢見たの?」
「夢?ああ、見たよ」
力は、どんな夢を見たのか私たちに話してくれた。
「確か、中3のコンクールの夢。何故か全国大会に出ててさ、普門館の黒舞台で、俺たちが演奏してたんだよ。課題曲と自由曲をね。…結構、楽しい夢だったよ」
「普門館?そんなん俺らの代じゃ無理じゃね?てか、去年の全国大会は名古屋のセンチュリーホールだっただろ」
「まぁ、夢だからね」
私は陽向と力のやりとりを聞きながら、車窓から見える景色を眺めた。
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力と広は二卵性の双子。だから、顔がとても似てるけど、何故か性格はほとんど似ていない。
どちらかというと、弟の広の方がしっかりしている気が…。…やっぱりそれは黙っておこう。
「…そうだ」
私は、ふとあることを思いついた。私はニヤリと笑うと、鞄の中からゴソゴソと“ある物”を探し始めた。
「…ああ、そういうことか」
広たちも私が何をしようとしているのか察したらしく、それぞれの顔を見合ってニヤリと笑うと、それぞれの鞄の中から“ある物”を取り出した。
それから力が目を覚ますのに、そんなに時間はかからなかった。
「おはよう、力。よく眠れた?」
「…ん、杏里?おはよう」
私の言葉を聞いた力は数回まばたきをして背伸びをした。
「そっか。俺、寝てたんだ」
「夜中まで勉強してたからだろ?ちゃんと寝ないと体壊すぞ?」
陽向は力の肩をポンポンと軽く叩くと、さっき鞄から取り出した“ある物”を力に見せた。
「…………これって……」
「力の寝顔、撮っちゃいました☆」
「はい、消そうか。さぁ貸せ」
力は陽向から“ある物”を奪おうとした。でも、そこを広に止められてしまった。
「実は僕も撮っちゃったんだよね。ほら、綺麗に撮れてるでしょ?」
「……広、お前もか。ていうか、それは引く」
そう、さっき私たちが探していた“ある物”とは、スマートフォンのことだった。私たちは力が寝ている間に、スマートフォンで力の寝顔を撮影していた。
「とりあえず消しといて」
「はいはい。同中のダチに一斉送信してからなー」
「しなくていい!」
陽向は力をからかうのを楽しんでいた。
私は話題を変えようと、力に話し掛けた。
「…何か夢見たの?」
「夢?ああ、見たよ」
力は、どんな夢を見たのか私たちに話してくれた。
「確か、中3のコンクールの夢。何故か全国大会に出ててさ、普門館の黒舞台で、俺たちが演奏してたんだよ。課題曲と自由曲をね。…結構、楽しい夢だったよ」
「普門館?そんなん俺らの代じゃ無理じゃね?てか、去年の全国大会は名古屋のセンチュリーホールだっただろ」
「まぁ、夢だからね」
私は陽向と力のやりとりを聞きながら、車窓から見える景色を眺めた。
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