ライフ・フロム・ゼロ
父や母を見てきたからか、
私はお金に対して厳しい大人になった。
給料が入れば何割かを母の口座に振込み、
残りは生活のために使った。
時々チェーン店の古本屋に行って、
1000円分の中古の文庫本を買って、
インスタントコーヒーを飲みながら
狭い家で読書することが
その頃の私にとっての贅沢だった。
自炊で食費を抑え、
エアコンは必要なときにしかつけず、
家計簿をつけ、貯金をする。
服や化粧品は、月に一冊買う
無難なファッション雑誌を参考に、
貧乏臭くならない程度に、
「ださい」と言われない
程度に買い、身につけた。