ライフ・フロム・ゼロ
私立の大学だったから、
いわゆるお嬢様なんかも周囲にはよく居た。
大学でクラスメイトが
ママにヴィトン買ってもらったの
とか
あそこのブランドの新作のこの時計、
デザインが気に入って色違いで買っちゃった、
とか
パーマとカラーとトリートメントと
ネイルで三万飛んじゃった、とか
話しているのを聞いて羨ましいなあ、
と思わなかったわけではない。
必要以上のお洒落や贅沢に
憧れを持つこともあれば、
自分の環境を恨めしく思うこともあった。
それでも私に彼女らがしている服装や
髪型が似合うのかと考えればそうではないし、
贅沢をしたくても先立つものがないのだから仕方ない。
私は4年間の大学生活で、
諦めることがとても上手になった。
それがいいことか悪いことかはわからないけれど。