ライフ・フロム・ゼロ
尖った手口
何も言えない私を尻目に、
ナカは白の綺麗な鞄から、
ビジューの縫い付けられた
シャンパンゴールドのポーチを取り出した。
ピンクと白のフレンチネイルが
ポーチを開け、何かを取り出す。
「………それ」
ナカはなにも答えないまま、
取り出したマルボロを口にくわえ、
ピンクの細いライターで火をつけた。
「…ああそっか、サヤの前で吸ったことなかったよね」
「だって、煙草嫌いって」
「うん、サヤの前ではそう言ってたね」
「私の前、では」
「まあ、そういうことなんじゃない?」
ナカは、笑いながら口から少し煙を吐いた。