ライフ・フロム・ゼロ
「りよ、う」
「うん。課題とかレポートとか仕事とかさー、
あんた成績はよかったから助かったわ。
ごめぇーんサヤぁー手伝ってぇー
とか言ったらすぐやってくれるんだもん」
「………」
「あとさ、あんたといることで実は私の
ポイントも上がったりしてたんだよね。
ほら、ネクラなあんたとも分け隔てなく
仲良くできる優しい人、って評価されるし」
「……っ、」
「はーぁ、面白かったなぁ。
騙されてるとも知らないで、
私のこと親友だって信じてさ、
必死に色々やってるあんた」
ナカはもう一度煙草に火をつける。
「でもさ、あんたみたいにネクラで
ダサイ女ってさ、わりと男から
需要あったりすんだよね。
真面目、とか清楚、とか言われてさ。
教授とかゼミメンバーとかに
媚売ってたもんね。強かだよねー?」
「…そんなこと、してない」
「どーだか。
んでまぁ、そういうのムカつくからさ、
あんたを好きになったって
私に相談してきたやつら、みんな食っちゃった」
「…どういうこと?」