ライフ・フロム・ゼロ



「なんのため、って言われると困っちゃうかも。
 強いて言うなら、あんたを笑うため?」


「笑う、って」



「うん、なんにも知らないで私のこと親友だって
 思って信じきってるあんたを、笑うため」


「よくわかんないよ…」



「ヒロのこともさ、もともと私のセフレだったんだけど、
 ちょっと面白いことしよーよ、とか私が持ちかけてさ。
 ヒロがそれにノッて、紹介ってカタチであんたと付き合わせたんだよね。
 ヒロがあんたのこと好きとか、ナイから」



「………」



「カケしてたんだよねー。
 あんたが何回目でヤらせるか、とか、
 結婚の話を持ち出すかとかさ。
 まあ私の連勝だったけど。
 結局ヤらせてないんだ?勿体無いなー
 ヒロ、上手なんだけど」



「………」



「ま、私としては
 あんたがマジでヒロを好きになった
 タイミングでこっぴどく振らせて、
 あんたがベコベコにへこむとこが見たかったんだけどね。
 あーあ、残念、バレちゃった」



「………」

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