ライフ・フロム・ゼロ


中学の間も、そこそこ遊んでいたけど、
規則が厳しく、なにより女ばかりの
狭く息苦しい環境に飽き飽きしていた部分も少しはあった。

家では相変わらずいい子だった私は、
適当な理由をつけて高校は共学に通いたいと両親に頼んだ。

両親は心配だから、と言って最初は反対したけれど
兄を味方につけて甘えるようにお願いしてみると、
簡単にそのお願いは通った。

お抱え家庭教師と兄たちの指導もあって
成績もそこまで悪くはなかったし、
推薦で都内の私立高校に入学した私は、
高校生らしいといえば高校生らしい日常を過ごした。

スカートを短くして、メイクして、
髪を少し明るく染めて、コテで巻いて。


中学までの仲が良かった子たちは
ほとんど高等部にエスカレーター進学したせいで
周りに知り合いは殆どいなかったけど、
これまでみたいに少し高い声で、
ニコニコと愛想を振りまいていれば
トモダチはどんどんできた。

梨花ちゃんはかわいいから、
ニコニコしてなさい、
そうしたらみんな梨花ちゃんの味方よ


ママは私が小さい頃からそう言ってくれていた。

それを実践していれば、確かに物事はうまくいっていたように思う。
< 160 / 182 >

この作品をシェア

pagetop