ライフ・フロム・ゼロ

そして私たちはトモダチになった。


自然とヒロ、梨花、と呼び合うようになり、
塾の帰り、その路地で話すようになった。

私はいつの間にかマルボロの味を覚えて、
ヒロが本当は口も性格も悪いある意味普通の男子
だと言うことを知った。

学校ではキラキラスマイルの王子様に戻っていたけど、
それはそれで面白かった。

ヒロはヒロで、学校ではニコニコしている私が
あの路地で仏頂面で悪態をつくのが面白かったらしい。
私たちは学校では王子様とニコニコ元気っ子として友達になった。


私たちは健全な男女だった。


だから、いつの間にかセックスするようになった。
その頃お互い「お似合いだね」と言われる恋人がいたけど
私はその時の育ちのよい彼氏の下では乙女らしく身を縮めて
抱かれていなければならなかったし、
ヒロのお嬢様の彼女は婚前交渉しないと言い切っていた。


ヒロとのセックスは、よかった。
あの男はなんだかんだとても上手だったし
私は思い切りはしたなくなることができた。
身体の相性というものも、よかったんだろう。
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