ライフ・フロム・ゼロ
ピピピピピピピピピピピピピピ
無機質な機械音が連続して鳴り響く。
休みだというのに、
アラームを止め忘れてしまった。
反射的に腕を伸ばし、
目覚まし時計のアラーム機能をオフにする。
見慣れた天井が目に入り、息を吐く。
混乱したような、
ぼーっとするような状態で
瞬きをひとつすると、
こめかみを生ぬるいものが伝った。
はは、と乾いた笑いが零れる。
何年ぶりにあんな夢を見ただろう。
昨日ナカがあんなこと言ったからだ。
あの置物を寝る前に手にとってしまったからだ。
勢い良く身体を起こし、頭を数回振って、
そのまま洗面台に向かう。
暇な日曜日、なにをしようか
それだけ考えながら、頭から余計なものを
追いだそうと、冷たい水で顔を洗った。