ライフ・フロム・ゼロ
「サヤはすぐ忘れるから、家帰ったら
すぐ確認するんだよ!」
「はいはい」
「またそうやって面倒臭そうに!
もしサヤが少額でも当たってたら
スペシャルジャンボメロンパフェだからね!」
「はいはい、そうでしたね」
「もー!」
「だって最初から期待なんてしてないもん」
「でも、それでも当たってる人は必ずいるんだよ!」
ナカは真剣な表情だ。
私は苦笑いしてしまう。
「でもさ、ナカ。何十万って人たちがナカみたいに
研究して何枚も買ったりしてるんだよ」
「まあ、そうよね」
「高額の当選金はどこから出てるかって言うと
そんなたくさんの人たちが買ってるからでさ、
それで、そんなたくさんの人たちはだいたい
外れちゃうわけじゃん」
「うーん…」
「私もナカも、そんな人たちの
一員ってことだよ。
だいたいナカも言ってたじゃん、
宝くじってのは夢を買うもんだ、って」