ライフ・フロム・ゼロ
「サヤの宝くじ当たってたらいいのにね」
「うん、でも無理だと思うよ?」
「なんでそんな風に言い切れるのよー」
「神社のおみくじってあるじゃない?」
「ああー、あるね。私今年末吉だった。
去年とその前は大吉だったのになぁ」
「私、大吉引いたことないんだ」
ナカは一瞬固まった。
「…おみくじ自体人生で1回しか引いたことないとか?」
「いや、毎年引いてたよ。
高校3年生の時と今年の冬以外の初詣では。
あの時は受験シーズンだったから。
今年は風邪引いて行けなかった」
「まさか凶とか出しちゃうの?」
「いや、だいたい小吉か末吉。
二回だけ、中吉出したかな。
あの時は嬉しかったなぁー」
「…………」
「ナカ?」
ナカは下を向いてプルプルと震えている。
「…サヤ」
「なに?」