ライフ・フロム・ゼロ
「また、デート?」
「まぁね!んじゃ、お先!」
いたずらっぽく笑って、
ナカは席を立った。
茶色の髪が、ふわりと揺れる。
ナカはほんと、かわいいなぁ。
デートの相手、いつか紹介してくれたらいいな。
そんなことを思いながら
お弁当箱をたたんで、
私も午後の仕事をするために
デスクに戻った。
面倒でも、難しくても、
小吉とか末吉とかの、
ささやかで私らしい人生のためには、
この仕事を真面目にやることが大切なのだ、きっと。