ライフ・フロム・ゼロ
現実を嗤う
浴室を出て髪を乾かしながらテレビをつける。
歌番組のヒットチャートには、
聴いたことのある曲がひとつもなかった。
「…あ、」
冷凍庫にアイスがあった。
少し明るい気持ちになって、
袋を開ける。
ベルギーチョコを使った、
確かにちょっと美味しいアイス。
テレビを見ながら
ゆっくりとアイスを食べた。
雨の音はまだやまない。
それどころか、
次第に酷くなっているようにも感じる。
「………」
口の中でアイスがなくなって、
平たい棒だけを未練がましく少し舐めた。
口からそれを引きぬいて
ゴミ箱に入れようとした時、
その棒になにかが書いてあるように見えた。
顔を近づけて棒をかざす。