ライフ・フロム・ゼロ



いつまで経っても喜びは湧いてこなかった。
とにかく私は動揺していたのだ。

こういう時どうすればいいかなんて
誰も教えてくれなかった。

いつも、
迷ったり動揺するようなことがあれば私はナカに相談する。

携帯を手にとって、
ナカに電話をかけようとした直前、ためらいが生じた。


もし、これが私の勘違いだったら
相当はずかしい。


ナカのことだから絶対、
長きにわたってからからわれる。


携帯とチケットをそっとベッドに置いて、

その前に正座して、長いことそれを眺めていた。


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