ライフ・フロム・ゼロ
「うわ、かわいい」
「でしょ?でしょ?」
そこには、同じデザインの色違いの傘が数本立てられていた。
どれも落ち着いた色合いで、女性らしい細身の傘だった。
「雨降っちゃったんだもん、買うよね?」
「んー…かわいいとは思うけど」
「なによー」
「私はコンビニ傘で充分かも。高いしこれ。」
「確かに高いけどさ、可愛いじゃん?
うちらもう社会人だよ!コンビニ傘なんて
持ってたら笑われちゃうよ!」
「相変わらず気が早いね」
「ね、これは?」
「うーん…ちょっと派手かも」
「これは?」
「私には可愛すぎる…」
「もう!じゃあこれは?」
「……きれいな色」