冷たい上司と私の恋愛事情。
「いつまでそこに立ってるつもり?」
『えっ…。あぁっ~!すいません!!』
黒田さんの言葉に今まで全く見えてなかった周りを見ると、いつの間にかミーティングルームにたどり着いてたみたい。
しかも、私が居るのはドアの真ん前で、完全に入り口を塞いでる状態。
それに気付いて一瞬にして飛び退くように通路の端へ寄った。
えぇ、そりゃもう私ってこんなに速く動けたんだってくらい俊敏に。
「…………」
そんな私を「こいつ、頭大丈夫か?」みたいな目でに見てる黒田さん。
『あ、あはは…』
可笑しくも無いのに出て来るのは誤魔化し笑い。
だって、沈黙に耐えられないから!!
「…はぁ」
黒田さんは諦めたかのように小さくため息をついてミーティングルームの扉に手をかける。
うっ…呆れられたかも…。