冷たい上司と私の恋愛事情。

「入らないのか？」

『え？』


てっきりさっさと部屋の中に入ってしまったものだと思ってたのに、ドアを開いて待って居てくれてた。

こういうさりげない優しさが嬉しい。


『入りますっ』

「…何笑ってるんだ？」


思わず頬が緩んでしまったあたしに不思議そうにしてる黒田さん。


『ふふっ…。何でもありません!』


緩んだままの笑顔そのままに黒田さんに返した。


私が単純なのかもしれないけど、恋って相手のちょっとした行動で嬉しくなれたりすると思う。

これくらいの事で？って思う人も居るかもしれないけど、だってこんな風にして貰えるのって当たり前じゃないと思うから。


その後のエリアミーティングではいつもの黒田さんに戻ってて、纏めきれなかった所につっこまれたりして四苦八苦したけど、なんとか乗りきった。