冷たい上司と私の恋愛事情。
「では、各自目標を明確にして、師走の忙しい時だとは思いますが、人員不足等無いように余裕を持って組むように。質問のある者はこの後個々にどうぞ」
「「はい」」
黒田さんの挨拶が終わり、テキパキと片付けて帰って行く人も居れば、エリアを統括する黒田さんに話し掛けに行く人も居る。
『ふぅ……』
なんとか終わった…。
昨日、あまり寝てなかったのと、今の会議で頭を使って疲れたのとて、終わった事に一気に気が抜けたかも…。
人が減って行く中、半分、意識が何処かへ行った状態で私はノロノロと資料を片す。
「まだ片付けて無いのか」
『え?』
顔を上げた先には呆れ顔の黒田さん。
「もう鍵締めるから早くしろ」
『あ、すいません!』
自分が思ってる以上に上の空だったみたいで。
気が付いたらもう私と黒田さん以外誰も居ない。
慌てて、適当に鞄に資料をしまって会議室を出た。