西野くんの偽カノジョ
ー昼休み。
ひとみとお弁当を食べ終わると、「職員室に行ってくるね。」と言って教室から出たひとみを見計らってあたしも教室から出た。
これは自分で解決したかったから…ひとみには言わなかった。
目指すはつばきちゃんのところ。
つばきちゃんのクラスに近づくたびに、やっぱり怖い!と思って足が重くなるけど、"逃げてるだけ"って思ったら強引に前に向けるしかなくて…
…あたしはつばきちゃんの教室に向かった。
教室のドアを開けた瞬間…
思わずつばきちゃんと目が合った。
「つばきちゃん!」
とあたしが周りも気にせずに言うと、一瞬目を逸らされたけどだるそうな顔をしながら教室から出てきてくれた。
そして教室から出て何も話さず歩き出すつばきちゃんの後をあたしも着いて行った。
つばきちゃんの足が止まった場所は
あの日つばきちゃんに呼び出された屋上だった。