西野くんの偽カノジョ
「教室まで来ていったい何のつもり?
私に葵との交際を祝福して欲しいの?」
着いた瞬間、いきなり話し出すつばきちゃんにあたしは体をビクっとしてしまった。
そして、フルフルと首を横に振った。
「…」
「はぁ…本当にめんどくさい!
じゃあ、今までしてきたことを謝って欲しいの?」
あたしはそれに対しても首をフルフルと横に振った。
違う…そんなんじゃない!
あたしは全然過去のことはもう気にしてない。
「…これだけ言いに来たんです。
あたしには西野くんは勿体存在で似合わない存在です。
付き合ってるのも奇跡みたいで、過去のあたしは付き合えるなんて思いもしなかった。
だけど、西野くんに「邪魔」、「お前なんかいらない」って言われるその日まで
…絶対にこの気持ちは負けません。
あたしはそれまでずっと彼を大切にします。…それだけです。」
あたしはその場から去ろうと歩き出した。
つばきちゃんの顔は見ないで…