西野くんの偽カノジョ
「許して欲しければ俺の家までついてくれば?」
と言って西野くんの方向に歩きだす西野くん。
問題集も筆箱も置きっぱだし
このケーキも一緒に食べたいし。
「…うん、行く。」
きっと、西野くんには聞こえてないだろうけど
そう言って西野くんの所に走って向かった。
隣を歩いていると、手を繋がれて……でも妙に手が冷たかった。
さっき後ろから抱き締めてくれた時もいつもは温かいのにそんなに温かさを感じられなかった
……ってことはもしかして
「あの…あたしが葉山先輩と家に来るまでずっと待ってくれてた……の?」
今一瞬…敬語で言いそうになっちゃった。
危なかった!
もう…癖ついちゃってるよ。
「別に、ちょっと寝てから来ただけ。」
「そっか…」
あたしは嘘のように感じたけどそれしか言わなかった。