西野くんの偽カノジョ
「さっきの、どういうこと?」
ど、どうしよう。
もしかしたら忘れてくれてるかな?なんて甘い考えをしてたけど…
やっぱり忘れてなんかないか。
口調は怖いし、 目を逸らそうと思っても西野くんがあたしを見て離さないから逸らせない。
「あの…その、」
本当のこと言ったらどんなに楽かって思うけど…
隠し事もいけないっていうのも分かってるけど…
今回はどうしても言う訳にはいかないよ。
みんな協力してくれたのに自分自身で踏み潰しちゃうことになるもん。
「俺さ、前に俺以外の男と2人になるなよって言ったよな?」
あたしはコクンと小さく頷いた。
…おっしゃる通りです。