西野くんの偽カノジョ



「でも…まだまだ全然分からない。



だけど…だけど西野くんのことを知ろうとしてない訳じゃなくって…



人に聞いて知るんじゃなくて、自分で西野くんのことを見つけて知って行きたいんです。



それなのに、西野くんは付き合う前から何度も何度も


結衣は全然俺のこと分かってねぇってそればっかり…


そんなに言うんだったら…


そんなに困るんだったら…


だったら……だったら…


西野くんは自分のことをたくさん知ってくれてる



つばきちゃんとか西野くんのファンの人と付き合っちゃえばいい!



あたし…これから用事があるので帰ります。お邪魔しました。」



あたしはそう告げると、後ろから「結衣!」と呼んでくる西野くんの言葉も見向きもせず



靴を履くと、逃げるようにあたしは西野くんの家から飛び出した。


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