西野くんの偽カノジョ
「気にすることないわよ。
休んでもいいって言ったけど、ちゃんと来てくれて忙しいお店を手伝ってくれて本当に助かったし。」
隣でおじさんはコクンコクンと頷きながら
「ひとみちゃんと結衣ちゃんの接客が良いって評判だよ!」
と嬉しそうに言ってくれた。
そして、おじさんは言葉を続けて
「あの試作品はどうだったかね?」
と満面の笑みで聞いてきた。
「それが……」
…ケンカしちゃってまだ食べてないんです。
なんて言えないし。
あたしは頭をフル回転して
「ずっと勉強しててまだ食べてないんです。」
と苦しい言い訳をした。
おじさんとおばさんは何かを感じ取ったのか
「そっか、じゃあ食べたら聞かせてね。」
と言ってくれて、明日は朝からのあたしは制服を着替えると挨拶をしてお店を後にした。